半導体関連の会社を経営するご主人と奥様が新たに購入したのは手前と奥で高低差がある個性的な土地。２台の愛車をビルトインし、家族５人のプライベートルームを確保することが求められていたため、スキップフロアによる立体的な構成としている。

エントランスゲートの先に広がるのは３層吹き抜けのダイナミックなアプローチコート。半地下に配したご主人のプライベートルームと連続して設えたアウトドアバスが特徴的。インナーコートであることからプライバシーも確保され、子供達の格好の遊び場として活用されている。

ガラス張りのガレージの奥に中央階段を配することで、手前と奥の高低差をスキップフロアで解消。プライベート空間をリズミカルに接続することで家族間のコミュニケーションを促し、踊り場を利用したスタディコーナーがセミパブリックな空間として機能している。

最上階のファミリールームはダイナミックな一室空間。南側の大開口を開放すると内外が一体となった中間領域が広がる。クローズドファサードからは想像できないほど開放的な室内には２種類の天窓を設けた。異なる種類の自然光が差し込み、勾配天井に敷き詰めた天然木や磁器質タイルの壁面に鮮やかな陰影を生み出すため、空間は多様な表情が広がっている。